恐怖の泉

都市伝説の怖い話「だるま」

※この話には一部に残虐な表現があります。苦手な方は閲覧をご遠慮下さい。

その仲良し夫婦は旅行が趣味で、よく外出を楽しんでいた。
国内を行き尽くした2人はそのうち、海外旅行へも積極的にチャレンジするようになる。
言葉が通じず、新しい体験だらけの海外旅行はとても新鮮でのめり込む要素も満載だったため、刺激を求めた2人はいつしかツアーではなく単独で海外へ渡るようになっていた。

そんな2人が某国でショッピングを楽しんでいた時、事件が起きた。
服を選んでいた妻が、いつの間にか店から忽然と姿を消したのだ。

妻はさっきまで更衣室で着替えていたはずだった。しかしいつまで待っても出てこない彼女は、まるで蒸発したかのようにいなくなった。
夫はお店の人に事態を訴えるも、言葉が通じず泣き寝入りするしかない。
現地の警察に通報するも、結局妻の行方は不明のまま夫だけは帰国することとなってしまった。

スポンサーリンク

愛する妻はどこへ消えたのか…。どうしても諦め切れない夫は、暇さえあれば足しげく某国へと通った。
しかし妻の足取りは掴めずじまいだった。

もう何度某国へ来ただろうか。今回は友人達も同行して入国した。
友人達は半ば諦めかけていた夫を元気づけようと、何か面白いものはないかと模索していた。
すると町の一角に、人だかりが出来ている。

「何かイベントでもやっているのかな?」

人混みの間からひょいと覗いた一行の目に飛び込んできたのは、見せ物小屋だった。
そこには、手足のない全裸の女性がいた。
その女性がひょこひょこと無表情で歩き回っているのを、多くの見物客が眺めていたのだ。

どういった経緯でその女性がそのような状態になったのかは、知る由もない。なんとなくこの状況が不愉快に感じた一行は
「そろそろ食事でも行こうか」
とその場を離れようとした。
しかし妻が行方不明となっている夫だけが、いつまでもその場を離れようとしない。
「おい、○○(夫の名)、もう行くぞ」
と声をかけると、夫はボソッと呟くように言葉を発した。

「△△…。」

えっ?
友人達は耳を疑った。
△△(妻の名)がついに見つかったのか!どこにいるんだ!と驚きながら問うと、○○は無言で指を指した。
なんとそれは、見せ物となっている例の女性だった。

そんな馬鹿な…。

友人達は驚愕したが、確かに△△にそっくりだ。しかし彼女がこんな姿になっているとは、誰も信じることができなかった。
夫は、ただ茫然と立ち尽くしていた。

その後、その見せ物小屋と交渉した一行は手足のない女性を引取り、あらゆる手段で△△本人かどうかの照合を行った。
結果、その手足のない女性は△△であることが医学的にも証明された。

△△の身になにがあったのか、はっきりしたことはわからない。
ただ△△は生きてはいるものの、両手両足を切断され、声帯も失っていた。さらには、精神も既に崩壊しているような状態だった。
両手両足のない彼女の姿は、まるで「だるま」のようだった。


この話は「だるま女」と称され、有名な都市伝説の一つとなっています。
かなりショッキングな内容ではありますが、昔の中国には「両手両足を切断する処罰」があったとされていますので、あながちフィクションとは言えない内容となっています。
ちなみに店から客がいなくなるのは「オルレアンの噂」という都市伝説で、よくだるま女と兼ね合った話とされるケースが多いです。

スポンサーリンク

四肢を切断されて生かされる姿は、まるで「だるま」のようだった…。

TOP